政策

消費税増税で儲ける大企業(税金を考える=後編=)

貧しくなる庶民と豊かになる富裕層と大企業

歴史上の増税はほとんどの場合、戦争をするための戦費のために行われてきました。しかし現在の日本は大企業と富裕層の利益を増やすために行われています。

ここ数年間だけでも大企業は最高益を上げ続けています。2018年度4月~9月期は4社に1社は最高益(日本経済新聞)でした。

連結決算の通期でも利益を上げていっています。

資本金10億円以上の大企業の内部留保(企業の利益の蓄えのことで、個人でいえば貯金)の増加も毎年最高を更新しています。

個人の場合でも富裕者はますますその富を増加させています。次のグラフはBloombergの記事による去年新たに億万長者の仲間入りした人数です。トランプ大統領の政策によって、半数以上はアメリカでしたが、2位は日本となっています。

2018年版の「ワールド・ウェルス・レポート」によると世界全体の億万長者は1810万人でそのうち日本人は316万人とのことです。この人数は不動産などの資産を除いた、自由に投資に向けられる資産だけを計算に入れています。

このように富裕者がどんどん増える中で庶民は次第に貧しくなってきています。実質賃金は下がり続け、貧困者は増えているにもかかわらず自民党政府はいつものように統計の取り方を変えることにより、貧困者が増えていないように見せかけています。

日本の貧困ラインの推移をみてください。次第に下げられています。これは日本共産党の志位委員長が国会質問で使ったパネルです。そして貧困ラインが下がっているのは日本だけです。

この貧困ラインが現在は122万円になっています。かつては年収150万円の人は貧困者だったのが、今では年収130万円でも貧困者ではなくされています。これは生活保護の受給にかかわってきます。さらに子供の貧困率は非常に高いものとなっています。移民の多いアメリは当然世界1位ですが、世界2位は日本(東洋経済ONLINE)です。操作された数値でも2位となっています。

過労死するまで働いてもその労働の対価のほとんどが富裕層に持っていかれるように税制が作られているからです。

次は消費税17%が目標

自民党政府は消費税を10%のここまで財界の希望通りに上げてきています。財界の次の目標は17%(産経新聞)ですので、自民党政府が続く限り17%になることでしょう。

大企業には様々な減税制度がある

企業にたいする表向きの税率は世界的に見て高めの方です。しかし様々の減税制度が設けられていて、実際の税率は非常に低いものとなっていて、大企業ほど実効税率は低くされています。

このグラフからわかるように大企業はほとんどが子会社と合わせた連結納税を行っているため、税率が5.2%しかありません。

大企業は消費税が貰えます。

大企業はその多くが輸出をしています。輸出先には消費税がありませんので、それを理由としてその分の消費税が還付される制度があります。

この表は2003年度のものでかなり古く、2018年度のトヨタは3500億円と倍近くの還付(輸出大企業は消費税の還付がある)となっています。

個人にも様々な優遇制度がある

富裕層ほど税率が低くなるように税制が設計されています。

年収が1億円を超えると次第に税率が低くなり、年収1500万円の人と年収100億円の人が同等の税率となっています。年間の所得が100億円を超える人たちの人数推移です。

そして大企業で働いていても年収200万円以下の労働者が2012年から2015年のたった3年間で2割も増えています。

日本人の個人の金融資産は増加し続けています。1990年の段階では1000兆円でしたが2006年には1500兆円を超え、この16年間で5割も増えています。その後の2008年からの10年間300兆円の増加です。日本の人口が1億2600万人ですので、赤ちゃんから100歳越えの老人まで1人平均1400万円を持っている計算になります。これだけの金融資産を誰が持っているのでしょうか。それは極少数の富裕層に偏っている状態です。

税制を元に戻すだけで庶民の生活は楽になる

次の国税庁のグラフを見てください。税収の金額が消費税8%になった段階で所得税を超えています。消費税が導入される前から物品税という同様の間接税がありました。しかしこの物品税は贅沢品が中心になっていて生活必需品には掛けられていませんでした。

物品税を消費税に替えてから、法人税を少なくし遅れて所得税も減らしていることが分かると思います。

それではこの間、国家の税収は増えたのでしょうか。消費税になった翌年の平成2年と平成30年の税収はどちらも60兆円で同じです。

自民党政府がこれまで「社会保障費のために消費税を増税する」と言ってきたのは嘘であるということです。消費税分がそのままそっくり富裕層優遇の所得税減税と大企業優遇のための法人税減税に消えたということです。

まずは消費税を廃止して、かつての贅沢品にだけ課税する物品税に戻しましょう。そして大企業や富裕層に対する優遇税制も廃止して以前の昭和時代の税制に戻すだけで庶民の生活は楽になります。この時代は国民が総中流と言われた時代です。

社会保障のための資産税と富裕税の創設

1000億円以上の資産を持っている富裕層にだけ1%の富裕税を課します。

今年の4月に発表されたフォーブスの「日本の長者番付」によると1位の柳井正(ファーストリテイリング、ユニクロ)2兆7670億円、2位孫正義(ソフトバンク)2兆6670億円、3位滝崎武光(キーエンス)2兆670億円、4位佐治信忠(サントリー)1兆2000億円、5位三木谷浩史(楽天)6670億円以下50位里見治(セガサミー)1000億円と50位まで合計するだけで19兆7470億円になります。ここに1%の課税をすればおよそ1900億円の税収となります。

さらに資産税として企業の内部留保は500兆円ありますので、この内部留保に1%の資産税と1億円以上の金融資産をもつ富裕層の金融資産240兆円に1%の資産税を課します。

さらに個人が所有している1億円以上の不動産は7000兆円はあると推定されていますので、ここにも1%の資産税を課します。

これら資産税と富裕税を創設すれば77兆円が新たな税収となります。富裕層による庶民への寄付として納税してもらい、福祉目的税として全額を社会保障にまわします。今年度の政府の社会保障関係費は34 兆 593 億ですので、一気に3倍の福祉予算となります。

この税収が毎年ありますので、現在月額4~5万円程度の国民年金を増額でき、充実させることになります。

すでにアメリカでは富裕層の一部がトランプ大統領に対して自らに富裕税を課すことを要請し始めています。BBCのNews Japanフェイスブックの共同創設者のクリス・ヒューズ氏等です。日本もこうありたいものです。

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